2018/04/01 ブログのテーマをcocoonに変更しました。
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『機巧のイヴ』: 機巧人形は何を想う?

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一月も終わりが見えてきましたね。はやいな~。

さてさて、今回は普段通りに読書感想文です!

 

 

おせち料理って、作って盛り付けっている時間が一番楽しいよね。
それに盛り付けているときの栗きんとんって、どうしてずぅーと食べていられる気がするんだろう?

 

 

なんかやっと、お正月感が抜けましたね。
新年一発目のまともな内容にできたらいいな……。

 

 

前回は新年の気まぐれにネタバレに関する記事を書いたんですけれど……いつもどおり今回もネタバレはしないように書いていきますね。がんばる。

ネタバレと結果と過程 1/2
始まりましたね。 2018年。 ついに来ましたね。 2018年。 さてさて、年始早々五月病の僕ですが、 今年の年末は○○で○○してるよ。 なんて、言われたら僕の中に微かに残っている生きる意...

 

どうしてこんな記事↑を書いたんだろうね。時差ボケっていうか年差ボケみたいな?

 

そうそう、今回のサブタイトルに『機巧人形は絡繰り羊の夢をみるか?』って書こうと思いましたけど、ぎりぎりで思いとどまった感じ……まあ、ここで言っちゃってるけど(笑)

 

元ネタは……分かりますよね~。

 

今日の一冊

今回はSFです! やった久しぶりだ!

年末に向けて買いだめした本を少しずつ読んで書いていければ良いな。

 

さて、これが今日の一冊。

 

『機巧のイヴ』
著者:乾 緑郎 出版社:新潮社

 

感想

SF伝奇小説というフレーズに引き寄せられた僕です。

オートマタと時代小説という時代的、技術的にミスマッチな二つの要素で成り立つこの作品。これらの要素が互いに反発するかのように見えて、上手く馴染んでいるような印象でした。

時代設定的にはパラレルワールドの江戸時代でいいのかな? 厳密には年号やら国名やらが違っているようですが、僕は水戸黄門的な町並みを想像して読みました。たぶん、これで良いとは思うんだけれどな……。

 

 

さて、そんな江戸のような町並み暮らしぶりの中で、”伊武”という一人の機巧人形(オートマタ)を中心に話が展開するわけです。こんな、一見びっくりするような設定をすんなりと受け入れられるのは、SF臭が濃くないからなのだと思う。着物の鮮やかな色や川の柔らかな音、町や闘蟋会などで聞こえてくる声に引き込まれます。そして、人と見分けがつかないほどの機巧人形が存在し、まるで本物のような見た目でありながら動かせる義手を作ったり、生き物を作ったり……。そのどれもがオーバーテクノロジーではあるものの、それを感じさせないのが良いですね。飽くまでも絡繰り人形の技術の延長だという感じが……本物のようで周りから気付かれないほど、自然に溶け込むというところが。

 

 

 

ここからは設定ではなく内容の感想を軽く。

 

  1. 機巧のイヴ
  2. 箱の中のヘラクレス
  3. 神代のテセウス
  4. 制外のジェペット
  5. 終天のプシュケー

この五つの話から出来上がるこの一冊。

やはり、一話目になる「機巧のイヴ」のインパクトが大きかったですね。
この話で、『人と機巧人形の違いとは』『命とは』という問が投げかけられ、物語が始まる。これが物語の一つの軸であり、物語を動かす発条であり、読者を一つの歯車として物語の世界に取り込む重要な役割をしていたように感じます。

他にも僕は、三話目である『神代のテセウス』の一番最後のシーンの会話が印象的でした。『過去の自分』と『今の自分』は同じ人間なのかなって。捨ててきた自分の嫌な部分も、認めたくない部分も、やっぱりそれも自分なのかなと考えちゃいましたね。まあ、答えなんて見つからないですよ……。

 

 

 

さて。

物語は頁をめくる度に徐々にこの国を揺るがす秘密へと、そして機巧人形である伊武の生まれた秘密へと広がるのですが、個人的には機巧人形の伊武と機巧師の釘宮久蔵の二人の話でもあるように思います。「大切な答えは意外と簡単なことだったんだな」と、それを見つけるための話だったのかなって。

 

 

 

また、日本にある「付喪神」や「物には命が宿る」という言葉を再認識させられるような、そんな話。

機巧人形が人間になりたいと思うことは、そのように設計されただけなのか。
人形にも心があるのではないか。
心があるのなら人と機巧人形の違いとは何なのか、そもそも違いなんてものがあるのか。
そして、その中に見え隠れする愛情。

至る所で考えさせられました。

 

僕は、「人とモノ」や「本物と偽物」の違いは外見でもそれを構成する要素でもなく、何を考えるか何を思うかだと思いますね。

 

あと最後に……この本には、各話の名前と機巧人形などへの振り仮名を除いて片仮名が登場しないのも、読んでいて簡単に世界観へと入り込めた原因だったのかな。

 

 

一つの絡繰りのように、一つひとつの出来事が綺麗に噛み合って話が進んでいく一冊です。気になったら読んでみてください。SFが苦手でも読めるはず、これを読んでSFを好きになってもらえると嬉しかったりします!

 

 

 

 

それではこの辺で。

極力、この作品のように片仮名を使わずに書いてみたんですが難しいですね。
久しぶりに本の感想を書いたら、前までどんな風に書いていたのか、感覚が思い出せなくて大変です(笑)

 

また次回!

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スドー

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読書と料理が趣味、ゲームが生き甲斐の村人S。

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