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『ナ・バ・テア』: 僕は飛ぶために生まれてきた。

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こんにちは!
今回は、僕の大好きなシリーズ、<スカイ・クロラシリーズ>より、『ナ・バ・テア』を紹介します。

『スカイ・クロラ』と言えば、押井守監督により映画化されたものを想像するかもしれませんね。
映画とは、結末や細かい部分が違うのでぜひ小説も読んでみてくださいね。

そういえば前回の記事でも、最後にちょっとだけ書きました。

飛行機を頭の中で飛ばせるのか?
いつの間にか、九月ですね。 九月って聞くと秋っぽいのに、まだまだ暑いです。 さて、そんなまだまだ夏っぽい空を...

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今日の一冊

まず、このシリーズ。
刊行順は『スカイ・クロラ』が最初なんですが、時系列的には『ナ・バ・テア』が最初なんですね。ですので、どこから紹介しようか悩みましたが、折角なので『ナ・バ・テア』からスタートします!

『ナ・バ・テア』
著者:森博嗣 出版社:中央公論新社

こちらは文庫版です。

あらすじ

大人になれず、永遠を生きる「僕」。
戦闘機に乗り、
生きる場所を求めて今日も空へと飛び立つ。
空気以外は何もない場所へ。
遠く、遠く、空高く。
「僕」は飛ぶために生まれてきたんだ。

感想

上のあらすじに、「戦闘機」や「大人になれない」なんていう言葉を書いたので、まずは簡単に世界観を。

世界観としては、戦争法人と呼ばれる企業間で戦闘が行われている時代。
そして、その戦闘で飛んでいる戦闘機に乗っているのは、「キルドレ」と呼ばれる思春期過ぎで成長が止まってしまった子供たち。
こんな感じの世界観ですね。そして、主人公はキルドレで戦闘機乗りです。

キルドレは永遠に生き、病気や怪我がなければ死ぬことはない。
このキルドレに関しては、後の巻で詳しく説明されるので、「へー、なるほど」くらいでOKです!

さてさて、ここからしっかりとした感想を。

まず、表紙が綺麗ですよね。
単行本では空。文庫本ではオレンジ一色。
どちらも魅力的で、どちらも本棚に飾りたくなります。

それに、表紙に書かれた文章。

周りには、空気しかない。
何もない。
命も、死も。

――『ナ・バ・テア』より

この物語のすべてがこの文に現れているように感じますね。

空気しかない。
―― None But Air ――
ナ・バ・テア

他にも、この作品の気に入っているポイントが。
文章の書き方が詩のようであることや、終始一人称の視点で描かれ主人公の気持ちに入り込み易い……などなど。

小説でありながら詩のような独特な改行の仕方が、心地よいリズムを生んでいるのでしょうか?
読み終わった後に、現実に戻される感覚。
地面に縛りつけられる感覚が強いです。
流れるような文章に自分も空を飛んでいるような気持ちになれましたね。

世界観に入り込み易い小説でよくある、この感覚は一度体験するとやめられなくなりますよね! 本当、毎回びっくりです。

それに一人称視点ということで、主人公の気持ちがダイレクトに伝わってきます。
空への憧れ。
同じ戦闘機乗りへの気持ち。
生き方。想い。
キルドレとしての悩み。
主人公の語りの影響だろうと思いますが、
戦闘機乗りの話であり、死に近い話の筈なのに、死んでいく同僚への優しさ、撃墜した相手への優しさで溢れているように感じます。

それが悲しく、でもその優しさが不思議と心地よくて、「可哀そう」なんて言えないなと思わせてくれます。

あとは……。
戦闘機のメカニック的な専門用語。
飛行機の操縦についての用語。
この辺りは沢山出てきます。何度も出てきます。
その用語に詳しい解説はなく、当たり前のように使われているのでより物語が流れる様に進行されているのかな。
同じ用語が出てくるので、少しでも理解できるとより楽しめますよ。
前回の記事でも書きましたが、
飛行機の動きを決める部分の言葉を知っているだけでも、臨場感が違うのでぜひ!

こんなに書きましたが、この小説の本当の良さは、実際に読んでみないと分からないですよ!
読めばきっと、空への憧れが大きくなるかもしれませんね。

昨日、一緒にいた人が、今日はいない。
そんなことはどこに居ても当たり前で、だからこそ、生きるってことを大切に出来るかな。
と思わせてくれる一冊。
ぜひ、気に入ったらシリーズ全六巻、手に取ってみてくださいね!

二周は読みたくなると思います(笑)

人間はどんなに高く飛ぼうとしても、最後には地面に落ちてくる。
結局は地面からは離れられない。
それでも、高く、高く、上へ。空に憧れる。
雲の上へ。空気しかない場所へと。

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スドー

こんにちは!

読書と料理が趣味、ゲームが生き甲斐の村人S。

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