スポンサーリンク

『小暮写眞館』: 雪解けと春

スポンサーリンク

こんにちは。こんばんは!
ああ、そっかもう春なんだなと、炬燵の中でぬくぬくとしています。

春と言えば……、
今年こそは、小湊鉄道の桜と菜の花を見に行こう!
と思っています。

まあ、毎年そんなことを思いつつ、
季節は春から冬へと切り替わっているのですが……。


そんなこんなで今年は行けるかな?
行けたかな?
なんて、書きながら想像中。
創造しながら想像中っていうわけです。はい。

さてさて、
今回は僕が毎年この季節になると読みたくなる小説。
春と言ったら、あの小説のあのシーン。
夏と言ったら、あの曲のあのフレーズ。
秋と言ったら、あの石焼き芋のあのおじさん。
冬と言ったら、あれ、あれだよね、あれ。

そういうわけで、春と言ったら『小暮写眞館』。

講談社からは上下二巻構成、新潮社からは上下二巻を更に分割した四巻構成ですね。
価格的には上下二巻の方が安いのですが、本が厚いと読む気が……って方は、四巻構成の方がお薦めかもしれないですね。
(読んだ! っていう達成感を味わい易いし)

本の内容としては、
古い写真館付き住居――小暮写真館――へ一家で引っ越してきた、高校生の花菱英一。
そんな彼の下へ舞い込んできた一枚の心霊写真から始まる、謎の解明とその過程で出会う人との交流を経て、一歩を踏み出す勇気と、自分自身の弱さに向き合う一冊。

 

感想としては、前半では心霊写真やその原因究明などと、ミステリーらしさが溢れているが、読むにつれ、根本的な部分はヒューマンドラマだと気付かされました。
個人的には後半からの話の展開が、読んでから何年経っても心に残るほど印象的。

いままで目を背けていたものに対峙する勇気。
友人の抱える悩み。
家族の愛情。
恋愛。
大人が子供に見せない弱い部分。
迷い。
傷。

誰もが持つ悩みや弱さに対し、優しい答えを遠回りをしながらでも一緒に探し、少しづつ成長していく姿に、自分の気持ちも揺さぶられます。最後には気付かないうちに涙が流れるほど。更に、表紙を見返してまた涙が流れる。
人は生きながら迷い、惑い、苦しんで……そうやって、大人になっていく。
子供も大人も、みんな一緒。
枯れ木に囲まれた冬は、いつか花咲く春へと移ろうように、自分なりの答えに辿り着くことが出来るのだろうな。

人は正しく生きようとしても、優しく生きようとしても、触れ合うことで誰かを傷つけ、誰かに傷つけられるものです。ただ、その傷を癒すことが出来るのも、触れ合い関わり合っていくことだと思います。
柔らかな日差しの下、菜の花が咲き、桜の花びらが舞い上がる。
勇気をもって一歩を踏み出した先に、そんな優しい光景が見られることを願って。

 

ぜひ、『小暮写眞館』を読んで、少しでも幸せな気持ちになってもらえたらいいな。

 

それでは、また次回。

The following two tabs change content below.

スドー

こんにちは!

読書と料理が趣味、ゲームが生き甲斐の村人S。

コメント