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怖そうで怖くない少し怖い本当の話 [2017の夏企画九回目]

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短い夏を毎年あっという間に終えてしまう人生ってのはすごく短いかもって。

こんなことを考えます。
まあ、ホラー映像ばかり見てるからだろうね。毎年、ホラー尽くしで夏が終わるからあっという間なのです。
学習しない僕も、ある意味ホラー。

そんな訳で今回は、二年くらい前かな? 僕が体験した怖い(はず)体験のお話をします。
今回は夏らしさ全開ですよ。

因みに、今回の話は全く内容を盛ってないので特別怖くはないはず。

ホラーだけど、法螺話だけはしたくないので。

本当にあった
怖そうで 怖くない 少し怖い話

さて、話を始める前に皆さんに一つ質問です。
あなたは、心霊現象を体験したことはありますか?

心霊現象といえば、多くは見間違いや勘違いが原因だったりするのでしょうか。
中には、原因が科学で解明されていたりするものも……。
金縛りとかは有名ですね。

まったく……夢も希望もない。

他にも、偶然が重なることでそれを心霊現象だと思い込んでしまうことも。

しかしながら、逆の場合もあります。
つまり、見間違いや勘違い、将又、偶然が重なっただけだと思うことで、心霊現象から目をそらすこと。

世の中には、心霊現象なんてあるのか。ないのか。
あなたは、どちらだと思いますか?

それでは、どうぞ。
ゆっくりしていってください。


――二年前の夏の夜、自室。

カチ……カチ……。
遠くから秒針の進む音が聞こえてくる。

目を覚ますと、辺りは真っ暗だった。
どうしてこんな夜中に起きてしまったのかは分からないが、とりあえず時間を確認しようと思い枕元にあるスマホに手を伸ばした。

――手を伸ばしたつもりだった。

身体が、全く動かない。手を動かそうとしても、脚を動かそうとしても、自分の身体が言うことを聞いてくれなかったのだ。

つまり金縛り。

正直に話すと、僕は金縛りが嬉しかった。
人生で初めての金縛りだし、何よりもずっと憧れていた現象でもあったから。

子供の頃は、金縛りは恐怖の対象であったが、今では金縛りのメカニズムも解明されているので、怖くは無く、寧ろこの不思議な感覚を楽しむ余裕さえある。

この際だからと無理やり動こうとしたり、声を出そうとしたり、眠り直そうとしたり……色々やってみた。
その結果、事前に聞いていた通り、首から上しか動かすことが出来ないのは驚きだった。
うごけー、ウゴケー、動けー
なんて、馬鹿みたいにはしゃいで楽しんでいたその時。

ッツン……カツン……カツン……カツン……。

ベランダの外から、金属の板の上を歩く様な音が聞こえてきた。

驚きのあまり、全身が氷になったかのよう。
外が気になっても、体が動かないため、息を殺してじっと耐えることしかできない。
一瞬だが、永遠のようにも感じた時間。

カチ……カチ……。
秒針の音がやけに大きく聞こえる。

カツン……カツン……。
冷静になってくると、その音が部屋の前からではないことに気づいた。
どうやら、近くにある非常階段から聞こえてくる。

カツン……カツン…………。
数歩、歩いた後に足音は止まった。

それ以降、その音が聞こえることは無かった。

ふう……。
つい溜息をついてしまう。これはさすがに驚く。
音が消えても、当分の間、心臓の音が聞こえてきそうだ。

目が慣れてきたので、離れたところにある時計を見る。
何とか見えたのは、二時二十分ごろ。
絶賛、丑三つ時。

考えすぎはいけないね。
まだ、金縛りも続いてるけれども、ひとまず眠ってみようと目を閉じてみる。

ガタン、ジー。

突然の機械音。
ほんとうに心臓に悪い。

どうやら、Blu-rayレコーダーのトレイが開いたらしい。
こんな時間に、なんで開くんだろう。
そもそもボタンなんて押してもないし、今までもそんなことは無かったのに。

考えるのをやめよう。ぜんぶ気のせい。
金縛りも含めてぜんぶ気のせい。

本当は何も起きてない。
起きてるのは自分だけだ。

……と思い込もうとした矢先。

ガチャガチャガチャ……ガチャガチャ…………ガタガタガタガタガタガタガタガタ……。

玄関のドアを開けようとする音が聞こえる。
もう、やめてくれよ。

身体は動かないし、いろんな音がするし、もうお腹いっぱいだ。
ドアを開けようとする音が止まったのを確認し、僕は再び眠りについた。

カチ……カチ……。

最後に聞こえていたのは秒針の進む音だけだった。


はい。終了。

あんまり怖くなかったですよね。
実際に体験してみると、かなりビックリはしますが!

後日談っぽいことを書くと……。

まあ、金縛りは言わずもがなですね。

次に非常階段の足音は、
そこでタバコを吸っていた人がいたらしいんですよね。
数日後に貼り紙が出てました。

『非常階段はタバコを吸うところじゃありません』って。

そんな当たり前のことで怒られるなんて小学生か!って話ですよ。
確かに、10階なので景色は良いんですけど……。

迷惑です。

他には、目を覚ましたのが丑三つ時ってのは、ただの偶然ですね。
気にしたら負けです。

そして、扉を開けようとする音。
これは、たぶん酔ったどこかの部屋の人が間違えたのでしょう。

迷惑です。

ほんとうに、これだけの事。
怖い話は、こうやって偶然が重なって出来上がるんですね。
笑えますね~。

そう、偶然。
偶然が三つ重なれば必然とも言いますが。

たまたま、金縛りになり。
たまたま、外でタバコを吸う人がいて。
たまたま、丑三つ時に起きて。
たまたま、部屋を間違えた人がいた。

それが、
たまたま、同じ時間に重なる。

ぜんぶ、偶然。でも、それは必然ではないのか。

……あれ、そういえばBlu-rayレコーダーは?
機械の不具合だったのだろうか。
あの時はリモコンは机の上にあったし、あれ以降同じことは起きていない。
果たして、あれは何だったのか。偶然? それとも……。

丑三つ時。

考えを変えてみると……。
そもそも鍵を使おうとせず、ドアを開けようとするのだろうか。
いきなり、あんなに何度も取っ手を引くのだろうか。
タイミングよく部屋を間違えるなんて……。

果たして、あの「非常階段でタバコを吸うな」という貼り紙は、この時のことを指しているのだろうか。
以前からあったのでは?
その時、本当に人がいたのだろうか?
僕が勝手に、足音の持ち主はタバコを吸っていた人だと思い込んでいるだけでは?

そして……。
20年も金縛りにならなかった僕が、こんなタイミングで金縛りになるものだろうか。

これ以降、僕はこんな体験はしていません。
時々、ラップ音が聞こえるくらい。

見間違いか、聞き間違いか、勘違いか……。
それとも……。
真相は、一体……。

因みに、後から知りましたが、
この年……下の階の住人が自殺していたようです。

関係は無いとは思いますが、一応記しておきますね。

偶然が重なったら気を付けてください。
それは必然かも。
そこには、何かの意思が関係してきているのかもしれません。

ほら、すぐそこに。
あなたの近くにも……。

何かを伝えたがっているのなら、見えたらいいのに……なんて。
時々、悲しくなります。

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スドー

こんにちは!

読書と料理が趣味、ゲームが生き甲斐の村人S。

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コメント

  1. うし君(M本) より:

    怖い話は確かにこういう形で出来るのかなってちょっと前に考えました。
    でもそれって必然とも言えるし、何かの啓示、叫びとも思える…
    怖いけど、悲しくもありますね。
    最後の二文、グッと来ました。