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『宵山万華鏡』: 不思議な記憶。[2017の夏企画二回目]

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一人ひとり、思い出は違うと思います。

皆さんは、お祭りって聞いてどんなことを思い出したり、想像したりするのでしょうか?
自分の感じる「お祭り」の雰囲気とかって伝えるのが難しいですよね。こう……ピカッとなって、モワッとして、くらっとする感じ。それなのに冷たい夜風が、すぅと通り抜けて……。
うん、難しい。
諦めよう。

それでは夏企画の二回目、はじまり始まり。
今回は、お祭りに関する小説ですよ。

タイトルの宵山でどこが舞台なのかが分かった方もいると思います。
京都です。祇園祭です。
7月の一か月間に渡って行われるお祭りですけれども、僕は行ったことがありません。
一度は行ってみたいですよね。
まあ、僕はこの小説を読んでお祭りに参加したような気分になっているけれど……。

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今日の一冊

『宵山万華鏡』

Amazonで森見 登美彦の宵山万華鏡 (集英社文庫)。アマゾンな

著者:森見 登美彦 出版社:集英社

あらすじ

とある姉妹や親子、そして学生などが祇園祭で遭遇した、どこか奇妙で暖かい事件。万華鏡のように、全てが繋がりながら、ころころと表情の変わるお祭りの一瞬を切り取った一冊です。

感想

今回はすごく簡単なあらすじですね。申し訳ないと思っています。
ただ、僕のお気に入りの一冊です!
実際に読んでもらった方が分かると思うんですよね……。

僕たちは、お祭りでお面を付けたりするけれども、日常生活で付けている『自分』というお面を外すことが出来るのかな。それがお祭りが少し特別な場所に感じる理由かもしれないですね。

祇園祭で起こる不思議な事件が六作品も描かれていて、読むとそのどれもが祇園祭という舞台で繋がっているのが分かると思います。
登場人物は、とある姉妹や親子、学生など幅広い話が詰め込まれています。
そして、内容は迷子になったり、一日を繰り返したり、謎の『宵山様』に出会ったり……。どこか奇妙で非日常なお話を味わえる一冊です。

普段では、あり得ないような不思議なことでも、お祭りという此岸と彼岸の境目が曖昧になっている場所では本当に起こりそうだなって思っちゃいますよね。
神様や怪異など、自分もそんな存在と出会っていたりするのかなって考えてしまうことも……。
もしかしたら思い出せないだけで実際に体験しているのかもしれない、夢だと思っているものが現実だったりするのかもしれないですね。

この一冊が、ただの不思議な話で終わらないのが、祇園祭の様子を丁寧に描いているからなのかと思いました。京都の夏の夏さや、祭りの熱気、街の様子など……。自分が、道の名前や場所について詳しければ、もっと楽しめるんだろうなと少しだけ残念だったりもして。
当然ですが、お祭りの山車(……というか山鉾の方が良いのかな?)の名前が出て来ますが、それもまた自分がお祭りに参加しているように感じて楽しいです。一番印象に残ったのが、蟷螂山だったかな。読みは、「カマキリ」ではなく「とうろう」です。
物語の随所にこの名前が出てきたからだと思います。

この『宵山万華鏡』という作品は、祇園祭を舞台にした群像劇だと思っています。それぞれの作品を繋ぐ鍵となるのが『宵山様』というキーワードと、どの作品にもチラッと登場する赤い浴衣の少女。お祭りにぴったりな金魚のような少女。
読者に対して「あれ……この場所は他の話でも通ったな」なんて思わせてくれたり、不思議な気持ちにさせてくれたりもします。

ひと夏の不思議な体験がしてみたかったり、お祭りの独特な空気を感じてみたかったりする方にはお勧めです。
読み終えると万華鏡のように、全ての話が繋がり大きく綺麗な模様となってあなたの前に現れるはず。

暑い日々が始まりますが、涼しい部屋で読んでみてはどうでしょうか。
ぜひ、楽しい夏の思い出を作ってみてくださいね。

夏の終わりに読んでくれた方へ。

今年の夏はいかがでしたか。

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スドー

こんにちは!

読書と料理が趣味、ゲームが生き甲斐の村人S。

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