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『猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1』と、無色透明、透明感

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「透明感」って言葉を聞くと何を連想しますか?

   
缶のラムネよりも、瓶のラムネの方が風情があって好きですね。
こんにちは、ようこそ。

僕は透明感という言葉を聞くと、「夏」「青春」「硝子越し」などを頭に浮かべます。
その他にも、何もかもを見透し受け入れる優しさのようなものを感じます。
皆さんはどうですか? もしかしたら、「若さ」や「肌」なんてのもあるのかな?

透明感には、透き通った感じや明るい感じなどの意味があるけれども、
「どうしてこんなに、この言葉に惹かれるのか?」と時々考えます。  

もしかしたら「青春」や「若さ」を連想しているように、どこか刹那的で硝子のように触れたら壊れてしまうような儚さもあるからなのかも。
なんて、柄にもない恥ずかしいことを書いて……反省しています。はい。  

では、ここから今日の一冊へ。
今回は、そんな透明感のある小説です。

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今日は……

猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1
著者:河野 裕 出版社:角川文庫  

ブログも始めたばかりなので、読み易い本を選んでみました。

ジャンルは何になるのでしょうか。ファンタジーで良いのかな?能力ものです。
……といっても激しいバトルものではありません。

こちらは全七巻で、1と書いてある通り一巻目にあたります。
もともと、角川スニーカー文庫で出版されていたシリーズですが、少しタイトルが異なります。
それが……「サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY」こちらですね。 タイトルや表紙で気に入った方を読んでみるのもアリかもしれないです。

 
このシリーズは個人的にお気に入りです。しっかり本の良い部分が伝わればいいな。
好きになってくれる方がいたら嬉しいなという思いを込めて……  

-あらすじ-

超能力者の街、咲良田。記憶したことを忘れない能力を持つケイと、世界を三日前へと戻せる「リセット」の能力を持つ春埼。
過去に起きた事件により、二人は力を合わせ、過去をやり直すことで人々の悲しみを無くす奉仕活動を行っている。
そんなある日、とある猫の命を救って欲しいという依頼が……

果たして二人は猫を救い出せるのか。そして、二人の過去に何が。歪に見える二人の関係の秘密とは。

優しさを追い求める「サクラダリセット」シリーズ第一巻。

どんな感じ?

僕が勝手に作ったあらすじを載せましたが、面白そうに見えるのかな?と心配です。
この一巻では明らかにされない部分もあるんですよね。
今後の巻で明らかにされていく過去の話があったりするので。

僕は、この小説の軸になるのが優しさであり、成長であり、過去の後悔だと思いました。

もう少し詳しく書くと。
明確な「悪」が無く、優しさと優しさ。正義と正義の対立。
これですね。

登場人物がみんな何か悩みを抱えていたり、葛藤していたり、迷ったり……
その結果がちょっとした問題に繋がってしまう。
そして、それを解決するためにそんな気持ちと向き合っていくという、痛みと優しさで作られている話だと思います。

舞台について

この小説の舞台は住民の半分が能力者である町、咲良田です。
そんな能力者の町で一番の特徴は、管理局の存在です。
この町は、管理局と呼ばれる組織が能力者を管理し、完全に中立的な立場で能力による問題を解決しています。

どうしてこの町にだけ能力者がいるのか、最終巻まで読み進めてくださいね。

能力とは?

では、物語の核となる設定を紹介します。 何といっても一番の注目ポイントは、能力者の話ということです。この能力にはいくつか特徴があります。

  • 能力に関しての記憶を持てるのがこのタイトルになっている咲良田という町の中でのみ
  • 能力を使うには、デメリットや制限がある
  • 一人に一つ

このような感じです。
咲良田にある能力は、
「過去を忘れない」「相手に声を届ける」「猫の意識に入り込む」などなど……
他の小説に比べると地味です。
ですが、これらの能力は言い換えると優しく、人を傷つける為にあるのではないのです。

それぞれの想いが現れている能力。
どうして、その能力を持ったのか読んで感じてください。

主人公紹介

そして登場人物紹介です。
主人公の浅井ケイと、ヒロインの春埼美空。  
そして、黒猫のようだといわれている少女の三人。

高校一年生の二人は、高校で管理局の手伝いをする「奉仕クラブ」に所属しています。
どうして奉仕クラブに参加しているのか……
そこにはもう一人のヒロインとの過去の話が……三人の過去に何があったのか?

ここで詳しく書いてもネタバレになりそうなので止めておきますね。

二人の能力とは?

続いて、ケイと春埼、この二人の能力紹介です。

  • ケイの能力は記憶を持ち続ける(思い出した記憶は忘れない)。
    デメリットは、一度思い出したら忘れることができない。
  • 春埼はリセット(世界を三日前まで戻す)。
    デメリットは、リセットすると記憶も三日前のものにリセットされる。  

リセットすると世界はすべて巻き戻り、全く同じ三日間が繰り返されることになる。
そんな中、記憶を失くさないケイだけは別の行動をとることが出来る。

つまり、忘れられないケイと自身の記憶までもリセットしてしまう春埼……この二人の能力を合わせると未来を変えることが出来る強力なものに……
そして、この二人が奉仕クラブの”仕事”として、依頼された問題を解決していくというものです。

しかし、未来を変えることは、リセット前の想いを殺すこと…… その痛みを抱えながらも、明日の一人の涙を消すために前へ進むケイ。 その覚悟の裏に隠された覚悟と想いとは。

この巻では……

さて、この巻では「猫を生き返らせてほしい」という一つの依頼から物語が動き始めます。

一匹の猫のために三日前の過去をやり直し、未来を作り変えるために動き始める。
二人の能力で猫を生き返らせることはできるのか?
この依頼の先に何が待っているのか?
タイトルの「猫」と「幽霊」と「日曜日の革命」とは?

是非、貴方の目で確かめてください!

全七巻のうちの一巻目ということで、ケイと春埼の関係性や過去に何があったのか、などまだまだ謎の多い状態です。そして、これらの謎も今後の巻で明らかにされていきます。
全ての登場人物が、要素が、パズルのように複雑に組み合わさり、未来へと続いていくのです。

最後に……

最後に、この小説……というより、この小説の著者の文体はとても澄んでいて透明感があります。
その透明感がこの物語の世界へ僕たちを引き込むような、そんな気がします。
爽やかな風が肌を撫でるような…… 最後の1ページを読んだ後、心地よい読了感というものを味わうことができるのではないのでしょうか?

優しさとは傲慢になることなのか?自分だけが痛みを背負うことなのか?
貴方にとっての優しさの意味を見つけてみてください。

   

「青春」その迷いや痛みを閉じ込めた透明感のある一冊をぜひ読んで、ケイたちの選んだ明日をみてくれると嬉しいです。      

それでは皆さん、また次回。  リセット。

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スドー

こんにちは!

読書と料理が趣味、ゲームが生き甲斐の村人S。

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