『死後の恋』:真っ赤な宝石は綺麗ですよね

最近は、日が伸びてきましたね。夏がすぐそこまでやってきています。怖いです。
夏、怖い。
暑い、夏。

すでに暑さに負けそうになっている僕です。
こんにちは。ようこそ。

さてさて今回は、僕が暑さに負け始めているので、この季節だからこそ読みたくなる、そんな一冊を。

この本を読んだことない人には意味の分からないような、説明不足な内容になりますのでご注意ください。

「死後の恋」

その一冊が、夢野久作の「死後の恋」です。

夢野久作といえば、三大奇書「ドグマ・ラグマ」が有名ですね。このタイトルなら聞いたことある人も多いはずです。読むと精神に異常をきたすと言われている、あの一冊。

「ドグマ・ラグマ」の話はここまでにして…… 今回は、そんな夢野久作の「死後の恋」。 どんなジャンルの話なのか考えてみたんですが、ミステリー?怪奇小説?恋愛?

難しいですね。一言で表すと『夢野久作らしい作品。』っていう感じ。 ただ、僕は大好きです。繰り返し何度も読むことは精神的に無理ですが、印象強く心に残るというか、こびり付いて離れない程の一冊です。

気になりましたら、ぜひ本を手に取ったり、青空文庫で読んでみたりしてください。 夢野久作、没後80年ということで作品集が何冊か出ていますね。

こちらや……

こちらです。

こちらでは、無料で読めます。

「好きな本は?」という質問の答えには、必ずこの「死後の恋」が入っています。 では、ここからは感想を。

あらすじ

舞台は、ロシア革命後のウラジオストク(浦塩)。その町で、ある話を言いまわる男がいた。

「私の運命を決定てください」、この一言で始まる男との会話。

今まで誰も信じてくれない「死後の恋」という話を、どうか聞いて欲しい。そして、あり得ると、ただこの話をあり得ることだと肯定さえしてくれるのならば、全財産を全てあなたにあげます……と。こうして、この男の口から語られる「死後の恋」とは。

感想

ネタバレをしないように書くのは難しい話だなと思いますね。 ここで語られる「死後の恋」というのは、この男の後悔なのか懺悔なのか、それとも……。 この話の捉え方は人それぞれだろうなと感じます。

終始、男の独白であり、どこか他人事のように冗談のように語られるのが印象的。前半は、男が同じ分隊に属するリヤトニコフという少年兵との出会いから始まり親交を深め、そして、彼の秘密を知ることになるまでかなと思います。後半では、今までの流れから一変、男の属する分隊が草原で襲われ、血腥い話へと。

ここで一番惹き付けられたのは、森でのシーンでした。死体の描写が猟奇的で、グロテスクで、心が痛くなるけれども……それでも……綺麗で、一瞬見惚れてしまうほど。そして、恋に気付いた瞬間だったんじゃないのかな。

この物語のキーワードでもある「恋」と、「宝石」
作中でこの宝石が汚れていくほどに、語り手の男の苦しみが増すようで。

この血に汚れた宝石は、そこに込められた思いも含めとても綺麗で幻想的ではないのでしょうか?

そして、話は結末を迎えて……

男が語り終わった後、誰もこの話を信じてくれないという意味が分かるような気がします。僕は、「死後の恋」の話は真実かもしれないと思うけれど、この男の財産である「宝石」を受け取ることはできないなと感じ、「信じない」と言って立ち去ってしまうでしょう。

話の聞き手である紳士が、男の話を信じないで立ち去る理由や、結末の解釈が多くあるのも面白いですね。 貴方なりの解釈を見つけてみてください。 いつか、しっかりと自分の解釈を書いてみたいんですけど……需要ないかな。

男の最後の一言。 この作品の最後の一言。 これが、とても切なくて、悲しくて。

でも僕にはどうすることも出来ないなって……ああ……アハアハアハ。

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スドー

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読書と料理が趣味、ゲームが生き甲斐の村人S。